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ET2011にいってきました(Workshop編)

Marvell Technology Workshop for G.hn.

G.hn ワークショップ

今回、「次世代ブロードバンド標準規格ITU-T G.hnのご紹介」という内容でマーベルジャパンさんからWorkshopブースでの発表がありました。

Marvell Semiconductor Inc.から、Ramon Garcia さんを招いての講演です。マーベルジャパン社員の方が逐次通訳をされておりました。

家庭内LAN

家庭内LANにはいろいろな課題がありますが、それらより用語を少し書いておきます。

Coax(同軸):テレビアンテナのケーブルです。
Powerline(電力線):100Vのコンセントのことです(動力線と言うこともあります)。
Phoneline(電話線):説明不要だと思いますが、いわゆるテレホンジャック(RJ-11)で繋ぐ電話線のことです。

線種ごとの規格

いままでは、同軸、電力線、電話線という、線の種類によって、それぞれに特化した規格が制定されていました。

そしてそれぞれの規格の中で高速化や、安定性の向上が図られてきました。

Marvell の G. hn 対応 Chipset とは?

G.hn とは、家庭内の有線を用いたネットワークの構築を線種によらず統一的にサポートする規格です。

Marvellの G.hn チップセットは ITU-T のG.hn 規格に準拠し、物理 1Gbpsを確保した上で、アプリケーション毎の帯域制御(QoS)をすることができます。

G. hn

G. hn はITU-T 勧告に採用された業界標準の規格であり、既に多様なベンダーによって支持され、使用されています。 既にHomeGrid Forumに種々のリソースが集まりつつあります。

Marvell Technology Group はこのG. hn の仕様策定の初期段階から参加し、策定に重要な役割を果しております。

3種類のケーブルタイプをサポート

そしてそれらの線種で高速通信可能です。いわばさらに高速なケーブルモデムとPLCとVDSLを一緒にできるようなものです。

G.hnの物理層とデータリンク層

物理層では線種に応じた変調方式と、適切なエラー訂正、そして物理層からデータリンク層へのパディングを提供します。

データリンク層では、綿密な同期制御が必要な際にはTDMAを用いて、Master/Slave で、そうでない場合はCSMAを用いて通信を構成します。
そして、128bit AESや、リレー送信、再送信制御を用いてアプリケーションレイヤーに適合した Ethernet フレームの送受信を行います。

G.hn 物理層

図に示すような線種と周波数の組み合わせがあります。

同軸の200MHz帯は日本向きに付加されたもののようです。

G.hn MAC(Medium Access Control)層

効率と信頼性を両立するための仕組みを備えております。

TDMAを使えばQoSを管理することができ、同期で全てを行うことができますが、電力消費の点ではやや劣ります(消費:大)。
よって、他のネットワークと接続をするときだけではなく、そのネットワークに流れるデータがクリティカルでない場合も他の方式を使い、消費電力を下げることもしています。

フロー当りの帯域確保例

Blu-ray などのビデオ供給元に繋ったデバイスAと、液晶モニタなどのビデオ出力先に繋ったデバイスB、 今回は無関係なデバイスC、そしてネットワークを管轄するドメンマスタがある場合を考えます。

デバイスA-B間で10Mbpsの帯域を確保する例では図のような流れで動作します。
まず、AB間でその内容について合意を取ったあと、ドメインマスタにそれを申請し、 帯域が確保できた場合、ドメインマスタはデバイスA,Bにのみ、その帯域チャネルへのアクセスを許可します。
デバイスA,Bはそれを用いて通信を行うことができますが、デバイスCはそのチャネルにアクセスすることはできません。

隣接ドメインへの干渉緩和

1つの家庭内LANを1ドメインと考えた場合、特に電力線やTV用の同軸を用いた際にはドメイン間干渉が発生する可能性が考えられます。
そのような場合には、関連するドメインの集積をクラスタと考え、図のような方策を用いてドメイン間の干渉を緩和する策が組み込まれております。

TDMA MACについて補足しますと、クラスタ内のドメイン間でIDCCを用いて「忙しい」ドメインと「閑散」ドメインを把握し、 交互に帯域を確保・解放し、いわばネットワークのON/OFFを繰り返してスループットと信頼性を確保する方式とのことです。

G.hn MIMO

一つのチャネルに対し、トランシーバ(Transmitter, Reciever)を複数持つことにより、耐ノイズ性の向上、通信距離の増大、スループットの向上などを図ることができます。

これにより、物理レートで1.7Gbps, アプリケーションレート(TCP/IP層)で700Mbpsのスループットを得ることができます。

マーベル社 G.hn 製品の特徴

マーベルはもちろん高速で低消費電力チップセットを提供します。しかし、それ以外にもいままでの経験から培われた

ファームウェア、TCP/IPスタック、リファレンスデザイン
など、一朝一夕では得られないノウハウも提供可能です。

ブロックダイヤグラム

2chip構成になる G.hn 製品は、2011年12月にサンプル出荷を開始する予定です。

また、リファレンスデザインはマーベル社のextranet から取得できるようにする予定です。

マーベル社の G.hn ソリューション

まとめますと、マーベル社は本図のようなソリューションをトータルで提供することが可能です。

G. hn は家庭内ネットワークを構成する技術の一つですので、 ワイヤレスLANなどで培われたマーベル社の他の技術を旨く組み合わせることでよりよいトータルソリューションを提供可能です。

ホームコネクティビティ

以上を、マーベル社が家庭内LAN、ホームコネクティビティに対して提供できるものの観点から、図にまとめますと本図のようになります。

アドバンスドメータリングインフラストラクチャ

ここまでは家庭内LANの観点から低圧(LV)電力網についてのみの話でした。

しかし、これらの製品群は中圧(MV)電力網、高圧(HV)電力網にも適用可能です。
それにより、メータリングに別の通信回線等を用いている現状から、 電力線のみでメータリングや機器の状態監視などまでの通信インフラストラクチャを提供することが可能になるのです。

(将来展望)全ての街灯にPLCを

マーベルの電力線ソリューションにより、変電所などをバックボーンとし、中圧電力網を用いたCity Area Networkが構築可能です。
これは街灯の制御や、故障検知は言うまでもなく、デジタルサイネージを行う際のバックボーンとして使うことも可能になります。
また、街灯をWiFiステーションにすることも可能になり、従来よりも繋がりやすいWiFi ネットワークを構築することも可能です。

(筆者注)現状では、電気通信事業法の制約により、これらの行為をすることは困難です。 しかし、技術の進化にはやがて、制度も法律も追随せざるを得ない時が必ず来ます。その日が一日でも早く来ることを願い、本稿を了とさせていただきます。

以上


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